やばい。これはやばい。ああやばい。

「すきすぎてつらい…」

ぴた、と、目の前のまっくろくろすけとまっしろしろすけが同時に止まって、同時に振り返る。似た顔は私の視界をシンメトリーに飾って、面白い程息を揃えて動き出す。

「相手は何処の虫ですか!!」
「ぼくたちがすぐに潰…話つけてくる!」
「え…虫?」

い、いやだ虫なんて…でもたしか…いやどっかでは……いや、どっかはどっか、わたしはわたし。そうよ。そうよね。

「冗談よしてください」
「な…では、」
「もしかして、」
「私ですか!?」「ぼくのこと!?」
「ああ私はなんと愚かな!様がこれだけ私を想っていてくださったと云うのに!」
「ちがうノボリ、はぼくに言った!」
「何を仰いますかクダリ」
「ね、そうだよ!ね!」
「はい?」

どっちに言ったわけでもなく独り言に過剰反応されただけなんだけどな…
そうとも知らずに目の前の二人はあーだこーだ言い争っている。何をそんなに争うことがあるの。また私としては特別争いの火種になるようなことはしていないし、言っていないとおもうんだけどな。

様!」
!」
「はい!」

鬼のような形相でこちらをみている…仲間にはしない。…あれ?まってお二人共、顔近い。あともう三センチってこういうことだよね。ていうかさっきから大声で喧嘩ともとれる言い争いしてますけどここギアステーションですからね?スタシオンですからね?道行く人が立ち止まってお二人+わたしを見ているんですからね?わたし悪くないよね?

「私とクダリ、」「僕とノボリ、」
「どちらが好きなんですか!」
「どっちが好きなの!」
「は?好き?」

いやそりゃどっちもじゃないですか?…そういう意味じゃないか。
好きって、何?お慕いしております?あいらぶゆー?いっひりーべでぃっひ?じゅてーむ?えーっと、

「どうしてそうなった…」
様が仰ったのではありませんか」
「ぼくきいた、好きすぎてつらいって!」
「…………」

……そっちのがかわいくていいな。…そのままでいいかな。逆に恥ずかしくて言えないわ。


好きです勘弁してください



「あの…非常に申し上げ難いのですが」
「やはりどこぞの馬の骨!」
「虫だ!虫!」
「(虫ってそういう…)あの…
お腹が空きすぎて、つらかったんです…」

だってもう14時ですよ。目の前で固まってる二人にC-GEARを見せれば、そ、そうですよね…ととても残念そうに言われた。本当ごめんなさい。